女性の魅力とフェロモン
出先でグレープフルーツの香りのボディーソープを使いながら、この香りは魅力的な若い女性の放つ香りによく似ていると思っていた。
若い女性に特有の甘酸っぱい香りがあることは世界の公然の秘密だ。一昔前は『しょんべん臭い』と揶揄されていたがそれは大多数に支持されるその香りを「俺は卒業したぜ」と主張しているに過ぎない。例えば50代の男がストライクゾーンを30代以上にシフトした結果、20代の面倒くささから解放されることを発見しての発言かも知れない。
人間にフェロモンがあるかどうかはわかっていない。とされている。これこそ現代のタブーではないかと筆者は思っている。現代科学をもってすれば女性の放つ揮発性物質の中の何が男性の性欲に訴えかけるかを特定することは容易だろう。
ただ、それをしてしまうことは、女性の魅力を数値化してしまうことに他ならない。個々に計測して『貴女は性的魅力が平均より低い』と突き付けられた人はその先の人生をどう生きたらいいのか。年代別の集計が出たとして、27歳からフェロモンが急激に減少する事実がわかったら世間にどれだけのインパクトと変化をもたらすことか。
そんなわけで、この甘酸っぱい香りを嗅ぐたびに、これを知らない平穏な世界のことが頭に廻るのだった。